外断熱工法とは、断熱材をコンクリート躯体の外側に隙間なく張り巡らせる工法です。そもそもコンクリートは木材等とは違い、熱を蓄える性質を持っています。この熱を蓄えることを「蓄熱」と言い、熱を蓄える力のある物質を「蓄熱体」と言います。
コンクリートの蓄熱性能こそが、室内の温度環境を安定させ省エネを実現させます。コンクリートや石などは比重が重く、熱容量が大きいため、蓄熱性能が高いと言えます。この特性から、コンクリートは冷暖房エネルギーを蓄える蓄熱体として力を発揮します。蓄熱性能が高い建物は、一度熱を蓄えると時間が経っても安定した温度を保ち、変化しにくいのが特徴です。熱した石はなかなか冷めない様に、熱を蓄えたコンクリートは保温力が高く、室内温度が快適に保たれるのです。対して、木材は熱してもすぐに冷めてしまいます。これがコンクリートと木材の蓄熱性能の差です。蓄熱性に優れたコンクリートは、室内の余分な熱を吸収し必要に応じて放出するため、省エネはもとより、１年中快適な室内環境を保てます。最近よく聞く外断熱工法ですが、そのほとんどが「蓄熱体」を持たない「外張り断熱工法」です。同じく外気を遮断する工法でも、RC 造の外断熱工法はコンクリート自体が蓄熱体としての効果を発揮します。蓄熱体が圧倒的に少ない「木造外張り断熱」では性能に大きく差が生じてしまうのです。

魔法瓶のように外部断熱されたコンクリートは、外の熱(暑さ、寒さ)を年中遮断し、さらに室内にいる人や冷暖房機から出る「熱」を蓄熱し、保温・放熱します。自然放熱や放熱ロスが少なく、室内の温度差が少ないので、健康・省エネルギーに大きく貢献します。